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大言小語 若さの特権

 「若いっていいな」。改めて思った。住宅・不動産業界への就職を希望する学生たちの真剣な眼差し。背筋を伸ばし、食い入るように説明を聞いている。質問や受け答えは純粋なものばかり。夢と希望を堂々と語るその姿。インターンシップも経験している。当時の自分とは、恥ずかしくて比べようもない。

 ▼就職活動の解禁時期を巡って、〝大人たち〟が迷走している。早めたり遅めたり、学生たちにとってはいい迷惑だろう。受け入れる側の企業と、今後を担う側の学生。どちらも重要なはずだが、企業側の都合が優先されすぎているように思う。

 ▼「若さは特権」とよく言われるが、その中でも「時間」という大きな特権が彼らにはある。時刻でいえば、彼らの時計は正午頃か。これから先、陽差しが更に強まり、活動するには最適な時間を迎える。明るく希望に満ちあふれる時間の中、大いに羽ばたいてほしい。「昼寝」をするのもいいだろうが、意味のある昼寝にしたいものだ。気づいたら夕方だったというのでは、残念過ぎる。

 ▼まだまだ若いと思っていたが、我々団塊ジュニア世代も、間もなく社会人生活の半分を迎える時期になった。学生の頃に思い描いた理想と、今ある現実のギャップに苦笑いするしかないが、〝失われた時間〟を取り戻すべく、見えてきた折り返し地点を元気にターンするとしよう。勝負はこれからだ。