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大言小語 震災の教訓

 未使用のまま2年間の賞味期限を迎えようとしている我が家のミネラルウォーター。賞味期限が来るのは今回で2回目。備蓄を始めてから4年が経過した。2リットル6本入り2箱の水は、最近お茶や料理などに使用している。

 ▼水を備蓄するようになったきっかけは、東日本大震災だった。幸い我が家は大きな被害を受けずに済んだが、千葉県の浦安市に住んでいた兄は液状化現象の被害をまともに受けた。長期間断水が続くなか、多くの店舗ではミネラルウォーターは品切れとなり、我が家の水道水をペットボトルに入れて兄の家に何度も運んだ。

 ▼兄の生活を目の当たりにし、ご飯を炊く、お茶を飲むなど日常的なことだけでなく、非常食的なカップメンでさえ水がなければ食べることができないことを改めて知った。食事だけではない。手や顔を洗う、風呂に入る、トイレで用を足し流す。意識していなかった当たり前のことが、水の安定的な供給によって成り立っていたことを痛感した。教訓を生かし、我が家では、お風呂のお湯も入浴後すぐに捨てず、残しておくことにしている。

 ▼震災後、家族が1人増え4人家族になった。1日1人3リットルで最低3日分とすると、36リットルの水が必要となる。必ず発生するとされる大地震。震災の教訓を忘れることなく、また次回も使用せずに済むことを願い、今回は3箱買いに行こうと思う。