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大言小語 「サ高住」改革私案

 サ高住は60歳以上の高齢者が安心して快適に暮らすための住まいとして制度化された。しかし配偶者なら60歳未満でも同居できるが子供は認められない。 ▼例えば75歳の父親と70歳の母親、40歳の子供の3人で暮らす家族の場合、親が2人とも要介護になったためサ高住に入ろうとしても、子供は入居することができない。別居を強いられる。これは制度の趣旨に反していないだろうか。親子2人で暮らしている場合も同様である。

 ▼働いている子供からすれば、日中の介護は訪問サービスの世話になるとしても、一緒に暮らすという願いが叶えられないのは非人間的でさえある。今、日本の家族構成は多様化している。生涯未婚者が増え、中高年の子と高齢の親が一緒に暮らしている家庭が増加中だ。離婚した娘が、孫を連れて実家に戻ってきているケースもある。同居中の子供や孫であれば、60歳未満でも入居を認めるべきである。

 ▼サ高住を超高齢化が進む日本を明るい社会にするための起爆剤としたい。現行のサ高住では高齢者だけが暮らす元気のない賃貸住宅になってしまう。身体が不自由になっても、生きる意欲を失わないためには様々な刺激が必要だ。サ高住にはデイサービスセンターや診療所などの福祉施設だけでなく、映画館や高級レストラン、そして話が弾む庶民的居酒屋など多様な娯楽施設を取り込むべきである。