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大言小語 難関だからこそ挑む

 2週間後に宅建試験が迫った。受験申し込み者数も20万人を超え、昨年をやや上回った。宅建取得を目指す人材が増えることは、業界の活力にも直結するため、受験者の推移には期待を持って毎年注目している。業法改正で宅地建物取引主任者の資格名称が変更され、来年からは宅地建物取引士資格試験に変わる。今年度は主任者最後の試験、来年度は取引士として初の試験が実施される。

 ▼受験者数と共に例年、話題になるのが難易度だ。近年は実務に関わる出題が増えるなど、年々、難関試験の様相を増している。不動産実務の複雑さを考えれば、こうした流れは当然のことだが、来年以降、取引士にふさわしい資格試験として更なるレベルアップも覚悟しておくべきだろう。

 ▼ひとつ期待したいことは、士業に格上げとなった宅建資格を目指す業界外の人材や若い世代が先々増えてくれることだ。「不動産業は人材」とは言い古された言葉だが、不動産業という仕事の重要性や魅力を知る人が更に増えてくれれば、多くの優秀な人材が業界を志すようになってくれるからだ。受験者の増加は、間接的に合格率にも影響を及ぼすかもしれないが、難関だからこそそこに挑む人が増えるのは自然な流れ。常に人手不足の業界にとって、歓迎すべきことであり、ひいては業のステータス向上へとつながることになる。