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大言小語 〝名付け〟も多様化

 12年に生まれた子供の名前ランキングが大手生命保険会社から発表された。最も多かったのは、男子が蓮(れん)さん、女子が結衣(ゆい)さんだった。トップ10を眺めると、多様化、個性化、安全志向といった世相をくっきりと映し出す名や呼び名がずらりと並んでいる。読み方では、女子は上位10位中8つを占めた2音が主流。男子の人気は3音だが、2音復活の兆しも見られるという。

 ▼上位入りした多くの名前に共通したのは、同じ漢字でも読み方が多様なことだ。男子の3位「大翔」は6通り、女子の4位「結愛」は実に7通りもの読み方に分かれた。ちなみに「結愛」の読み方はユア、ユメ、ユイ、ユナ、ユラといった具合で、続けて読むと国語の五段活用のようだ。

 ▼この名付けランキングを取り上げたテレビニュースによると、それでも依然画数には注意を払い、インターネットで同姓同名がいるのを確認する親が多いという。今どきの保育園では読み方が難しいため、あえて名前はひらがなで記載するところもあったそうだ。

 ▼聞き取りやすい発音、読み間違えない漢字、見て聞くだけで性別が分かるとは、昔の大先輩から教わった名付け方だが、これも今も不変と思いたい。ともあれ、名前に思いを込めた理想の大人になってくれることが、親の幸せであることは昔も今も変わらない。