総合

「学生100人に聞きました」

 昨秋に始まった明海大学不動産学部で行われている今年度の住宅新報社の講義「不動産流通の制度と市場」も、年が明けて残すところ後わずかになった。年末に講義を受講した学生約100人超に、「不動産業界はイメージが悪い」かを尋ねたアンケートを行ってみた。その結果、イメージが悪いと答えた学生は約2割にとどまり、わからないが3人、残り7割超は「そうは思わない」と回答してくれた。

 ▼大手、中小を問わず日頃から付き合いのある業界の人たちとこの話題になると、必ずといっていいほど「イメージが悪い」ことを前提とした話になる。「どうしたら社会的な地位が向上できるか」「イメージアップには何が必要か」。妙案がないだけにいろいろと頭を悩ませている業界人は多い。

 ▼学生たちからの予想外の回答をもらって、不動産業界は自らを卑下しすぎなのかもしれないという思いがふとこみ上げてきた。今年は業界の協会団体が公益社団法人化のラッシュを迎える。社会的地位の向上を目指すひとつの取り組みとして期待したいところだが、同時に気付いていない自らの長所を知り、広く社会に知らしめる地道な努力も欠かせない。

 ▼悪いところばかりが目立つのは仕方ないが、黙っていてはよいところも理解してもらえない。不動産業に関心を寄せる若い人たちの力を借りて、長年の課題を少しでも克服できる年にしよう。