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正確な「歩掛かり算出」が可能な最新システムを開発 鹿島

 鹿島(東京都港区)は、画像AI(人工知能)を用いることで、技能者の人数と作業時間をリアルタイムに正確に、自動で把握できるシステムを開発した。技能者の人数と作業時間を工事出来高と連携させることで、正確な「歩掛かり」(ぶかかり)と、その変動を瞬時に算出できる。

 既に同社の建設現場で実際に導入して効果を実証したという。同システムは特許を出願している。
具体的には、建設現場に常設している固定カメラの映像を、画像AIを活用した同社独自システムで解析し、作業に関わる技能者の人数と作業時間を把握する。

 解析は分単位に行え、指定した作業エリア内の技能者の延べ作業時間を正確に計測できる。作業時間を指定し、工事出来高と連携させることで、正確な「歩掛かり」を自動的に算出する。

 現在、建設業界では、技能者の人手不足や高齢化が深刻化し、また、2024年4月に適用される時間外労働時間の規制も背景として、建設現場の生産性の向上が急務となっている。

 生産性の向上のためには、一つひとつの作業にかかる「歩掛かり」を正確に把握することが重要となる。

 ただ、従来の詳細な歩掛かり調査は。複数の調査担当者が作業エリアで、作業ごとの技能者の人数と作業時間を記録する手法を採っていたが、それには膨大な労力や時間を要していた。担当者の負担が大きく、調査対象の現場数にも限界があった。近年の建設現場のICT化の進展でデジタル技術による「現場の見える化」が進むが、歩掛かりについては正確なデータの取得ができていなかった。これらの課題を今回の新システムで解消できる。