政策 賃貸・管理

鑑定評価基準見直しへ、 中古住宅評価など新需要開拓も 国交省が検討会スタート

 国土交通省はこのほど、国土審議会土地政策分科会・不動産鑑定評価部会を開催した。証券化不動産の評価などニーズが多様化していることを踏まえ、2010年1月に施行された不動産鑑定評価基準の改正を視野に、制度の在り方を検討する趣旨。
 検討会ではまず、鑑定評価をめぐる現状を整理。グローバル化への対応のほか、今後業務の拡大が期待できる分野への注力が施策として示された。特に後者については、国交省が推進している中古住宅流通促進政策を受け、中古住宅の評価需要が高まる可能性を指摘。宅建業者など他業種との連携や、鑑定士活用の有用性を一般に周知する重要性が示された。
 委員の間では、鑑定士の建物評価能力の向上が必要であるという見解で概ね一致。中古住宅の評価については、「精緻化を目指すよりむしろ、簡易な評価手法が消費者需要に即しているのではないか」といった意見が出された。
 4月以降、鑑定士である委員を中心に検討グループを構成し、現行の不動産鑑定評価基準に関する課題を抽出。6月をメドに同基準見直しの方向性を取りまとめ、2012年中に報告書をまとめる方針だ。