政策

市区町村指定の津波避難ビルが急増 国交省・内閣府調査

 市区町村が指定する津波発生時に安全に避難できる施設(津波避難ビルなど)が、6月末から10月末までの4カ月で、2倍以上に増加していることが内閣府と国土交通省の調査で分かった。沿岸などの市区町村610団体(岩手、宮城、福島県内を除く)を対象に行った調査で、1876棟だった6月末から10月末には3986棟になった。2008年3月末時点では1315棟、2010年3月末時点では1790棟となっており、国交省は「直近の急増は、東日本大震災を踏まえた危機意識の高まりが伺える」と話している。

 一方、6月末時点で指定されていた津波避難ビルなどについて調べると、2割弱が耐震性が不明だった。旧耐震基準のもので、耐震診断や耐震改修が実施されていないビルなどが17.7%に上った。市区町村からは、「建築物を可能な限り指定しておいた方がより多くの人命を救えると考え、耐震性については厳密に考慮せずに指定している」といった意見も上がっている。