大林組(東京都港区)と、アイシン(愛知県刈谷市)は、大林組技術研究所(東京都清瀬市)を活用し、「ペロブスカイト太陽電池」の実用化に向けた実証実験を共同で着手した。大林組が開発した施工方法と設置方法による施工性を評価し、発電量を検証する。
ペロブスカイト太陽電池は、建物の壁面や耐荷重に制限がある屋根など、従来のシリコン太陽電池では難しかった設置場所にも対応できるとして、注目されている。また、素材のヨウ素は、日本国内でも調達が可能なために製造工程を短縮化し、大量生産による低コスト化にも期待できる。ただ、現状のペロブスカイト太陽電池は、シリコン太陽電池とは相対的に、発電効率や耐久性などの面で課題がある。アイシンでは既に、ペロブスカイト太陽電池の開発や社内外で実証実験を進めており、今回の大林組と協力し、共同で実証していく。
実証実験では、ファスナーを用いる「取り外し式工法」でメッシュ形状のシートを同研究所本館の屋上に設置する。大面積でもファスナー部分で容易に連結させ、部分的な交換もできる。長期的な保守性にも優れるという。長期間の設置による耐久性を検証し、実際の取り換え工事で施工性も評価する。今後、ビルなどの様々な建設物への適用を視野に研究を推進する。
