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戸建てにコロナ禍続く 主要住宅会社 2月度受注 高付加価値提案は奏功

 主要住宅各社の2月度の受注速報(金額ベース)が出そろった(表参照)。ウェブでの顧客対応は進んでいるが、戸建ての伸び悩みの背景に新型コロナの影響による展示場来場者の減少や対面営業の抑制などを指摘する声は多い。一方で、高付加価値の提案は奏功しており、棟単価の上昇が受注金額を支える傾向は続いている。

 各社の1月度受注の特徴的な点を見てみる。

 積水ハウスの「戸建住宅」は前年同月(単月)比3%増。大空間リビングや次世代室内環境システムの高付加価値提案が引き続き奏功している。「賃貸住宅(RC造除く)」は同2%増。賃貸住宅はZEH推進、3、4階建てが好調で大きく前年同月を上回ったが、非住宅が伸び悩んだ。「分譲住宅事業」は同4%増と堅調。「リフォーム」は戸建てで大空間リビングへのリフォーム、次世代室内環境システムの採用が奏功し、同10%増となった。

 大和ハウス工業は「戸建住宅」が同29%減、「分譲住宅」が同14%減。コロナ下での展示場来場者の減少、対面営業の抑制などが響いた。「集合住宅」は同25%減。前年同月は大型物件の売却があり、その反動でマイナス幅が広がった。

 住友林業の「戸建注文住宅」は同9%減。ウェブ経由の資料請求数は前年同月と同等だったが、展示場来場者の減少が響いた。ZEH比率は70%超で、1棟当たりの単価も高水準で推移している。

 旭化成ホームズの「請負住宅(戸建てと集合)」は同3%減。集合は堅調だったが、戸建てがマイナス。展示場来場者の減少が影響した。

 ミサワホームの「注文住宅」は同5%増。太陽光発電(PV)の採用、ZEH仕様が好調で、棟単価を前年超え。「賃貸住宅」は同21%増。大収納空間の採用が好調で、3階建てがけん引した。

 三井ホームの「専用住宅(戸建て)」は展示場来場者の減少により同20%減。棟数は減少したが、PVの採用。ZEH仕様は好調で引き続き棟単価を押し上げている。

 パナソニックホームズの「戸建住宅」は同21%増で、3階建てがけん引。全館空調システムやZEH仕様が好調で、単価を引き上げた。「集合住宅」は同9%増。3階建て以上の多層階が好調だった。

 棟数ベースで公表する積水化学工業の「住宅受注(戸建てと集合)」は横ばい。内訳は戸建てが微減、集合はプラス。戸建ての棟単価は上昇基調だ。単月受注におけるPVの搭載率(北海道除く)、蓄電池の搭載率(北海道含む全国)は過去最高となった。