都・あきる野市 商店街リノベ支援「自立経営できるまちづくり 物件紹介から収益事業も模索」
住宅新報 2019年9月17日 号 3面
東京都あきる野市は、新宿から電車で約1時間に位置する山間部の人口約8万人の自治体。同事業を申請した五日市商和会は、JR武蔵五日市駅前の商店街で加盟会員数は38店舗(3月時点)。最盛期の86店舗から半減している。
同商店街は、経営者の高齢化や後継者難に加え、住居兼店舗の個店が多く、1階だけの賃貸利用の難しさや所有者の賃貸意欲の低さがあり、廃業に伴い店舗が住宅に改修されるなど、賃貸市場に出る店舗がほとんどない現状がある。また、07年に2駅隣でイオンモール日の出が開業したことも打撃となっている。
7項目の課題
地区の再生に向けて課題の整理を行い、以下の7項目が挙がった。(1)空き家・店舗の活用サイクルづくり、(2)市街地で活動する担い手発掘、(3)地域住民・各事業者の意識改革のためのマーケティング、(4)市街地開業・まちなか暮らしのプロモーション、(5)商店街組織の機能強化、(6)市街地と周辺エリアの活動連携、(7)五日市の既往リピーターの市街地誘導。
同事業の定例会議を月1回開催し、活動拠点に五日市まちづくり事務所(あきる野市五日市27)を整備した。土間部分は、空き物件情報の展示ギャラリーとして自由に出入りできるようにした。
空き家ヒアリング 物件見学ツアー
課題(1)では、空き家・店舗の実態調査で92件の物件をリスト化し、商店街組織や不動産業者、TMなど担当を分けてヒアリングを行った。賃貸可能物件は、詳細図など物件情報の展示や配布用パンフレットを作成し、マッチングと地域の魅力紹介とイメージアップのための「まち歩き物件見学ツアー」を実施した。
3月に3日間開催した同ツアーは、内見物件は6件で23人が参加した。4社ある地元の不動産業者も協力し、参加者の他の物件も見たいとの希望にも対応してもらった。
今後、物件オーナーと事業者(借り手)の面談を実施し、マッチングを進め、賃貸契約や建築士から物件改修のアドバイスなどのサポートも行う。不動産業者との交渉に中立的なまちづくり組織や行政、商工会などが立ち会うことは、開業者にとって安心感になり、話しやすくなる。
紙媒体とフェイスブックなどSNSで、同ツアーの開催告知、まちづくりの取り組みや野外映画上映会「ほしぞらシネマ」などイベント情報の発信を開始した。地道な情報発信と工夫や強化によって、楽しいまちなかイメージをPRし、併行して開業しやすい環境づくりや来街者を増やす試みを進めていく。
自走できる仕組みを
同商店街のまちづくり活動者は、「自分たちの街は、自分たちでやるべきだ」との責任感があり、行政や市議会議員、不動産業者も協力的だ。外部のTMに任せるのではなく、地域を自分たちでつくるとの意識を持って、公民連携して進めていく必要がある。
収益事業として、他自治体で運用事例がある市有地や民間の空き地のサブリースによる駐車場事業などを模索している。また、開業のために物件を探している人は多く、物件を再生することで、街の再生につなげる。イベントなどで観光客の落とすお金が還流する仕組みもつくっていく。私の在任期間に、自立経営できるまちづくり組織の設立と担い手の発掘を進めたい。

























