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大言小語 出馬ラッシュ

 世界的な選挙イヤーもいよいよ終盤戦だ。気候変動やエネルギー問題、長引く戦争など国際情勢が緊迫する中で、舵取りを担うリーダー選びは明日の我が身に影響を与える。アメリカでは11月の大統領選挙を前に、前大統領と、現副大統領が舌戦を繰り広げる。舌鋒鋭い前リーダーの返り咲きか、現職からバトンを託された初の女性大統領の誕生か。政策に関わる論戦はもちろん、公正な選挙実施に至るかどうか、その行方が気がかりだ。

 ▼国内でも重大な選挙が続く。七夕決戦となった東京都知事選では現職の小池百合子知事が3選を果たしたが、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が2位に付けるなど、既存政党と色を別にした候補者が注目を集めた。立候補者は様々な肩書を持った過去最多の56人に上る中、不適切な選挙ポスターの掲示など公約とは別の言動が悪目立ちするケースも見られた。お祭り騒ぎと化す首都東京のリーダー選びに有権者は何を思ったか。

 ▼国内政党の代表選も混沌とする。岸田文雄首相が不出馬を表明した自民党総裁選(9月27日投開票)にも多くの候補者が名乗りを上げるが、群雄割拠というよりは本命不在の様相だ。目指すべき政策の方向性や実行力、選出プロセスも含め、国民に目線を合わせた選出となるか。政治家当人や周囲の思惑が優先され、国民は蚊帳の外に置かれたままとならぬよう、その言動を見極めなければならない。