東急不動産ホールディングスの24年3月期第3四半期業績は増収増益だった。オフィスや賃貸住宅、物流施設の売却益が拡大したほか、仲介事業も好調に推移している。新型コロナ明けによるインバウンド需要などを取り込みホテルも回復している。売り上げ・利益とも二桁の増加となり、通期の営業利益予想1150億円が上振れる勢い。
セグメント別に見ると、都市開発事業は昨年末時点のオフィス・商業施設の空室率が5.7%、同11月竣工の渋谷サクラステージを除く空室率は1.2%の低水準を維持した。オフィスは渋谷エリアを中心に賃料増額の動きがあるもよう。分譲マンションの計上戸数は1271戸で、通期予想に対する契約済み割合は期首の82%から102%となった。平均価格は7100万円。昨年12月末時点の有利子負債は1兆6451億円と昨年3月末比で1622億円増えた。
次期以降は渋谷サクラステージの一部(簿価716億円)を売却する。25年3月に6割、26年3月に4割をそれぞれ売却する予定。同物件の持ち分割合が7割から5割に減る見通しだが、高まる資産効率ニーズ面で25年度のROA(総資産利益率)目標3.6%(21年度比0.4ポイント上昇)にプラスに働く見通し。
東急不動産HD(連結)
24年3月期・第3四半期
売上高 7,178億円 (11.9%)
営業利益 753億円 (21.5%)
経常利益 680億円 (24.7%)
当期利益 454億円 (47.0%)
予 想 24年3月期
売上高 11,200億円 (11.4%)
営業利益 1,150億円 (4.2%)
経常利益 1,045億円 (5.0%)
当期利益 640億円 (32.7%)