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住宅大手・23年3月期第1四半期決算 部材高騰も高付加価値化 4社中3社が増収、計画は据え置き

 大手住宅メーカー・ビルダーの23年3月期第1四半期決算が出そろった。資材価格の高騰の影響が及ぶ中、業績を発表している大和ハウス工業、旭化成ホームズ、積水化学工業住宅カンパニー、飯田グループホールディングス(飯田GHD)の4社のうち、大和ハウス工業、旭化成ホームズ、積水化学工業住宅カンパニーの3社は増収、営業利益も増益した。また、各社とも業績計画の修正はなかった。

 旭化成ホームズは、戸建て注文住宅などの建築請負部門は資材高騰の影響を受けたものの、物件の大型化や高付加価値化によって増収増益。受注高も924億円(前年同期比1.9%増)を計上した。海外事業も北米の木材価格の変動に応じた価格改変が進む一方、足元の価格が下落し、営業利益が大幅に伸長(前年同期比56.5%増)した。一方、不動産部門とリフォーム部門は減収減益。

 大和ハウス工業も、戸建て事業と賃貸事業はいずれも増収増益。海外事業も米国の住宅を中心に堅調に推移した。マンション事業は減収し、11億円の営業損失を計上した。契約状況は、前年同期比で戸建てが7%下回る一方、賃貸住宅は26%、マンションは296%上回った。商業施設、事業施設、環境エネルギー事業はいずれも増収減益だった。コロナ禍以降、苦戦が続いたホテル事業も、今年度の稼働率は5月を除きいずれも8割超で推移するなど、回復基調にある。

 積水化学工業住宅カンパニーは、新築住宅、リフォームのいずれも売り上げ、利益とも計画通り。コスト削減、棟単価アップへの取り組みが奏功したほか、買取再販事業が伸長、まちづくり事業も順調に進ちょく。部材費の高騰も固定費の抑制によって、上期の営業利益は計画を達成する見込みだ。

 飯田グループホールディングスは、傘下の子会社のうち飯田産業と東栄住宅が増収。全体の戸建て分譲事業は売上高2786億円(前年同期比5.2%減)、売上総利益535億円(同13.8%減)。販売棟数は1万棟を割り込み前年同期を下回ったものの、平均価格は3007万円(同5.0%増)に上昇。ただし、資材価格の高騰により、売上総利益率は19.2%(同2.0ポイント減)。マンション分譲事業は計画通りに進ちょくしたものの、評価損の計上などにより、増収減益。リフォームなどの請負工事事業は増収増益だったものの、売上総利益率は20.3%(前年同期比5.5ポイント減)にとどまった。