売買仲介

費用対効果上げて会員支援 3エリア・12ブロック体制へ 来年4月に支部統合・再編 東京都宅建協会 桑原弘光会長に聞く

 東京都宅地建物取引業協会(東京都宅建協会)は、5月の定時社員総会で桑原弘光氏(新宿区)を新会長に選出した。同協会の長年の懸案だった支部の統合・再編という組織改革の総仕上げが控えている中、7月15日に桑原会長がインタビューに応じた。

 ――抱負をうかがいます。

 「定款・定款施行規則の改正を経て23年4月から新組織体制に暫定移行する。歴史的な大事業の達成に向けて第4コーナーまで疾駆した瀬川前会長から受け継いだバトンをスピードを落とさずゴールインするという重要な時期の会長就任で身が引き締まる思いだ。会員支援を第一に据え事業を執行する」

 ――新たな組織体制に移行しますが、どのように再編しますか。

 「現行の6ブロック・32支部体制を3エリア・12ブロック体制に統合・再編することが決まっている。正会員数は都心の1つのブロックで1700人余りとなるが、おおむね1000~1400人の範囲に収める。再編の主な狙いは、ブロック交付金額の格差を極力解消し、資金の使い方を無駄なく効率的にすることで、協会の事業運営の費用対効果を上げることと、理事・社員数の均一化を図ることだ。ドラスティックな再編なので、行政対応窓口の活用方法などの運用面の改善を検討し、早急に組織改革を完結できるように組織特別委員会を設置して運用面の協議を開始している」

 ――ほかの重点課題は。

 「本部事務局の組織強化と執務環境の刷新も課題だ。

 支部再編・統合に伴い本部・支部事務局職員の配置換えが必要になる。職員のリストラはしない。職員の適正な評価システムを導入して適正・公正な人事異動等につなげる。本部事務局内に新たに人事部を創設する組織強化を想定している。ペーパーレス化も推進し、フリースペースのあるオフィスに改装して快適な職場環境を整備する。会費徴収の一元化などを協議・検討する。現在、当協会と関係団体である保証協会、協同組合と合同で新たな財政協議特別委員会を設置して、会費徴収の一元化の方法などについて具体的に検討していく」

 ――人材育成について。

 「青年部会やレディース部会などの若い人や女性の意見に耳を傾けて重要ポストに登用することが必要だと考えている。未来創造特別委員会を設置して議論する予定だ」  ――公益社団法人の取り組みについて。

 「公益移行10年目。事業比率の見直しも行いたい。公益法人法上の公益財務三基準は満たしている。公益目的の事業費率は本部のみで60%以上と50%の適合水準を上回っているので支部全体の同比率は30~40%の範囲でよいとみている。会員サービスの充実につながる予算に見直すべきと考える」 (聞き手・中野淳)