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大言小語 管理業、実質スタート

 今週は賃貸住宅管理業法に基づく管理業者の登録経過措置が終了する。法制化された管理業の実質スタートだ。これからは業界の〝地域志向〟が本格化する。アパートは「建てれば埋まる」と言われた時代は終わり、入居者志向と地域発展を考えるオーナー、それを支える管理業者が生き残る時代となるからだ。

 ▼人口減少時代の不動産業の社会的使命は生活者の身近(地域)にある。不動産に関する様々な困り事相談に対応することであり、そうした地域密着型産業が存続していくためには地域の発展が欠かせない。つまり最も大切な仕事は部屋を仲介したり、管理をしたり、賃貸住宅を建設する以前に、地元の活性化に取り組むことだ。

 ▼地域を活性化させていくヒントとなるのが、子供の視点で街を見ることではないか。そこで育った子供たちが、大人になってからもその街を誇りに思い、親しみを感じる街であれば、その街は廃れないだろう。そのためには、子供の心に残る風景やお祭りなどのイベント、大人たちの何気ない会話が心地よく聞こえてくる地域にしていくことが大切だ。

 ▼今、地域の人たちが気軽に何気なく立ち寄ることのできる場所が少ない。買い物がてら立ち話をする商店街が消え、路地で遊ぶ子供たちの姿も見られなくなった。法に基づいた賃貸住宅管理業の実質スタートに当たり、そうした人間同士の多様な交流が深まる地域の再生に期待したい。