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NTTコミュニケーションズ・東京理科大 〝デジタル〟で防災訓練 市民参加型で実証へ

 NTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)は、東京理科大学理工学部土木工学科水理研究室(二瓶泰雄教授)の協力を得て、市民参加型の『デジタル防災訓練』の実証実験に、4月に着手する。国や自治体指定の水害ハイリスク地域の現実空間を「デジタルツイン」で仮想空間に再現させ、発災の前後をシミュレーション。アバター(分身)を通じて市民に〝体験〟してもらい、避難行動の可視化や防災意識を高め、安全に避難できる施策を検討する(イメージ図)。

 実証実験は、国が提供する都市空間データや同社独自のデータを使う。行動の目印になる店舗や看板などを3次元のコンピューターグラフィックでリアルに再現した「デジタルツイン」上の街の空間で行う。参加する市民のアバターの避難行動変容のデータを同社が分析する。河川の氾濫状況などの実態に即した水害の再現は、同研究室の助言を受ける。デジタルツインの構築に際しての技術上の課題も抽出する。23年3月までの実験期間で複数回実施する。

 同社は今後、これらの実証実験で収集したデータを活用し、企業などへ防災や減災に向けた提言を行う。共創パートナー企業と新たなサービスやソリューションの開発、検討を重ねる。将来的には、現実世界を3次元空間でシミュレーションできる「参加型デジタルツインシミュレーションプラットフォーム」を社会実装させる。今回実証実験する第1弾の気象災害に加え、高齢化社会など幅広い社会課題の解決でも貢献していく。