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セレンディクス デジタルで住まいづくり 〝3Dプリンター住宅〟開発

 セレンディクス(兵庫県西宮市)は、「3D(3次元)プリンター住宅」の開発で、日本や米国、オランダ、中国の4カ国共同の設計を完了した。18年8月に3Dプリンター住宅専業メーカーとして設立して以来の本格始動となる。同社で提供していく球体住宅商品『Sphere』(スフィア)シリーズとして、豪華なキャンピングスタイルのグランピングや、別荘地で、また、災害復興住宅向けのほか、23年末には一般住宅向けとしても展開していく。

 

 コンクリート壁を2重構造とし、国内基準の耐震性を備え、日本よりも厳しい欧州での断熱基準を満たした。3Dプリンターを使うことにより、物流費や人件費を抑える。通常は24時間でつくることができる(イメージ図)。災害復興住宅でも使え、迅速な復旧作業に対応できる。

 同商品は、国内外80社が開発に協力している。同社が設計・開発部分に特化して、設計は、国内外の協業企業と共同で行った。デザインは、建築家・曽野正之氏(Clouds Architecture Office・米国ニューヨーク)が担当した。出力する3Dプリンターは海外メーカーと、建築は住宅施工会社と協業していく。

自由に買い替える

 グランピングや別荘、災害復興住宅に対応。基本的には建築確認申請の必要がない、10m2.300万円モデルを企業の実証実験用の限定予約で2月に販売を開始した。8月には一般販売する予定。23年12月には一般住宅に対応する100m2モデルを発表する。

 Sphere事業部責任者COOの飯田国大氏は、「車を買い替えるように、年齢や家族構成、仕事に合わせ、自由に家を買い替えられる世界を実現する」と話している。