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プレミアム会員限定中国山地の中央に位置する中山間地 林産業への構造転換 一般財団法人日本不動産研究所 ニューノーマル最前線 不動産の〝変〟と〝不変〟 第35回 鳥取県日南町

住宅新報 2022年1月18日 号 12面

連載: ニューノーマル最前線

総合
  • 古い街並みが残る日南町多里

    1 / 3古い街並みが残る日南町多里

 日野郡日南町は、鳥取県の南西部に位置する林業、農業を主たる産業とし、島根、岡山、広島の各県と接する中国山地のほぼ中央に位置する総面積約340平方キロ、人口は約4000人の中山間の町である。全国でも有数のオオサンショウウオの生息地であるが、その生息環境は悪化し続けている。町内には古事記ゆかりの地が多く、古代より神楽が伝承されてきた地域である。また、たたら製鉄で栄えた地域でもあり、明治初期には、日野郡の3人に1人がたたら製鉄に関わっていたと言われている。

 日南町多里は、日南町の中でも最南西部に位置し、冬季には100日間も雪に閉ざされる旧日野往還最奥の宿場町で、周りには古墳も多く、古くから栄えた地域と思われる。明治期以降は、たたら製鉄に代わり、クロム鉱山で栄えた地域で、古い街並みは往年の宿場の名残をとどめ、かつての繁栄がしのばれる。国道183号が旧街道の東側に通ったため、古い街並みはそのまま残った。

 多里地域は日本で最初にクロム鉱床が発見された地域であり、若松鉱山、広瀬鉱山、日野上鉱山の3鉱山が存在した。クロム鉱はステンレスの原料となる鉱石であり、発見されたのは明治20年代で、硬く丈夫な鉱石のため、溶鉱炉の耐火レンガに使われ、日本の近代製鉄の発展に大きく貢献した。若松鉱山はクロム産出量で日本一を誇り、大部分の金属鉱山が閉山に追い込まれる中、1996(平成8)年まで鉱石を産出した実績がある。現在ではクロム鉱はすべて輸入している。多里地域のクロム鉱山群が、08(平成20)年度の経済産業省の近代化産業遺産に選出された。

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