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令和マスターズさろん 第3回会合開催 データの分析活用を 

 企業や世代の枠を超えて、不動産業界の関係者が集う任意組織「令和マスターズさろん」は、「マーケティング・分析」を題材に、第3回会合を12月7日に東京都内の会場で開催し、ウェブでも配信した。データを活用する今後の不動産サービスを考えた。

 ドコモ・インサイトマーケティングエリアマーケティング部長の鈴木俊博氏(工学博士)は、ドコモ開発の『モバイル空間統計』を紹介し、「8200万台分の携帯電話網の仕組みを生かすことで、GPS(全地球無線測位システム)よりも高精度に手間なく、人口統計の情報を得られる」と特徴を説明した。

 RESTAR(リスター、東京都港区)社長の右納響氏は、同社開発の不動産・地理情報プラットフォーム『REMETIS』(レメティス)を紹介し、ドコモと同社のサービスの連携活用で得られる「人流」のデータを不動産業務で活用すれば、「これまでの〝肌感覚〟ではなく、人や住まいの周辺などの〝街の動き〟を数値データで可視化する。地方移住の傾向、住まいから働く場や遊ぶ場への移動、その人の属性までがリアルタイムに分かり、営業戦略に役立つ」と解説した。

 また、photosynth(フォトシンス、東京都港区)は、同社開発のスマートロックを活用した入退室管理システム『akerun』(アケルン)を紹介し、「オフィスを中心に導入され、勤怠や在室のデータを分析した利用動向から、テナントの解約や退去を〝予測〟して、リーシング戦略のタイミングを検討できる。〝扉〟を起点にDXを推進できる」と説明した。

 同組織理事の高智亮大朗氏(コスモスイニシア社長)は、「勘や経験、度胸が通じていた従来のスタイルを変革し、最新のICTを的確に使いこなさねばならない時代になった」と強調。同組織代表理事の北川登士彦氏(東急不動産ホールディングス顧問)は、「当組織は、若い世代のネットワークの構築や横軸の交流を目的とする。最新技術から〝学び〟を得て、今後に生かしてほしい」と結んだ。