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大言小語 ローン控除だけか

 本紙で掲載している通り、22年度の税制改正大綱が決定した。注目されていた「住宅ローン控除」については、控除率、控除期間が改正され、いわゆる「逆ザヤ」と呼ばれていた現象はすべてとは言わないが解消される。

 ▼当方が住宅ローンを借りたのは四半世紀前。住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)からで、固定金利型3%を超えていた。現在、フラット35で1%台、ネットバンクの変動型だと0.3%台もある。4000万円以上のローンを組むと単純計算で利息は12万円、しかし年間の控除額は40万円と上回る。このため、現金で購入できる層も住宅ローンを利用していた。しかも、これに団信特約が付くので、お金をもらって(実際には自分が納付した税金が戻ってくるのだが)、生命保険、しかも三大疾病などの保障が付くものに入れる異常な状況が続いていた。

 ▼会計検査院からの指摘もあり見直されたのだが、長い目で見ればさほど変わらない形に落ち着いた。それでも、一部からは持ち家優遇を修正するためにも、廃止を含めた抜本的な見直しを求める声もある。家具や家電など波及効果が大きい持ち家取得を進めるため、住宅ローン控除は必要な制度だが、一部の富裕層が利用するものを除く、賃貸住宅の貧弱さをテコ入れするような税制はないものか。管理業法も生まれた〝賃貸新時代〟をリードする政策、制度の創設に期待したい。