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社説 可能性高まる「70年定借」 駅前一等地活用で脚光

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 定期借地権が創設されて間もなく30年を迎える。当初の定期借地権付き住宅の契約期間は、法律に規定されている最短の50年が主流だったので、あと20年ほどで期限が到来し、そろそろ土地返還に向けた準備期間に入ることになる。一方、近年はその契約期間が長くなる傾向にある。特にマンションでは「70年」が主流となりつつあるようだ。駅前一等地や都心部にある老朽化ビルを、期間70年の定期借地権マンションに建て替える事例が増えているという。推進しているのは大手不動産会社だ。そこでは「地代一括前払い方式」が地主の説得に大きな力を発揮している。老朽化したビルのオーナーは、土地を手放したくはないが、資金がないため建て替えができずに苦慮しているケースが多い。そこで資金力のある大手不動産会社が70年間の地代を一括前払いし、老朽化ビルのオーナーはそれをテナントの立ち退き料や解体費に充て、残りを建設される新築マンションと等価交換するという手法だ。

 駅前や都心の希少性の高い土地が、定期借地権を活用することで再開発される意義は大きい。例えばオフィスから居住系に転換すると、高齢世帯の駅前への住み替え需要に応えることができる。郊外の戸建て住宅暮らしで、家の管理や通院が負担となっている高齢世帯にとっては、商業施設や病院が集まる駅前立地のマンションのほうが生活しやすい。一等地であるほど地主は土地を手放したがらないが、定期借地権ならば提供してもらえる可能性が高い。その際、地代一括前払い方式が地主説得への効果が大きく、もう一つのポイントは借地期間だ。定期借地権プロジェクトは、借地人(居住者)にも魅力がなければ成功しない。かつて主流だった期間50年では、住宅を取得する側(借地人)からするとやや短い印象があった。例えば30歳で取得した場合、80歳で返還時期を迎えることになるからだ。地主にとっては、70年は更に期間が長くなるが、定期借地権創設当時とは違い、なるべく長く借りてもらいたいというニーズが強まっている。

 ただ期間が長期化すると、その間に地主、借地人双方に様々な事情、自然災害など想定外の出来事に遭遇するリスクが高まることにもなる。更に、期間満了時の更地返還がスムーズに進まない事情が発生している可能性もある。そうした予期せぬ事態に備えておくことが、今後定期借地権が積極的に活用されていくためのカギになる。そのためには約20年後に期間満了となる50年定借を大いに参考にすべきだ。定期借地権は地主と借地人が再契約しなければ、期間満了時に借地人は建物を解体して更地返還することとなっている。その際、実際にどのような問題が起こるのか起こらないのかを検証しておかなければならない。そこから事業者は法律に則って円滑に進めるための知恵や手法を学び取る必要がある。

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