総合

大言小語 参加する意義

 手に汗を握る。各地で拍手や歓声がわき起こっている。人々の期待や自身の希望を胸に、真剣勝負でスポーツ競技に挑む。目標に向かい頑張っているその姿に、もしかするとわれわれ観戦側は、自身の姿と重ね合わせているのかもしれない。

 ▼今回は感染拡大防止のために現地で直接には、観戦ができない状況にある。テレビやインターネットなどを通じ、視聴に集中する。メダルの結果を残した、または残せずとも、選手側は、すさまじい集中力で臨んでいる。

 ▼競技場やロゴのデザイン、過去や現在の発言、世界中を襲う感染症まで、いろいろと問題・不安視された中での開幕となった。無観客の会場からは目に見えないものの、人種や性別、信条、国籍などの枠を超え、多くの国民・市民が心を一つに視聴している情景が目に浮かぶ。

 ▼視聴する側も勇気をもらう。一人ひとりが自身を振り返り、未来への志向が生まれている、と思う。資格試験やダイエットなどを実現したいと、個々の目標に改めて向き合うきっかけになったのかもしれない。その願いを結実させるには、個人の努力や工夫が必要となる。

 ▼団体戦でも、それぞれが役割を認識して、各自が十分に力を発揮する。そして、その気持ちを一つにすることが大切なことに違いはない。「参加することに意義がある」とはそういうことなのだろう。単に漠然とその場に「いるだけ」では意味はない。企業でも同様である。