不動産業ビジョン/ 全国賃貸不動産管理業協会 プロの知見が一層必要に 賃貸住宅管理フォーラム 佐々木正勝会長 特別企画

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全国賃貸不動産管理業協会 佐々木正勝会長
 「不動産業ビジョン2030/賃貸住宅管理フォーラム実行委員会」の構成団体である全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)は、設立から10周年を迎えた。同協会の佐々木正勝会長に、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律への期待や協会の取り組みを聞いた。

 ――全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)の設立から10周年を迎えた。

 「10周年という大きな節目の年に会長をさせていただいているが、20年前に全宅管理の前身となる『賃貸不動産管理業協会』が全国宅地建物取引業協会連合会を母体に設立された際から関わってきた。中小不動産業者にとって、地域での賃貸管理業はとても重要。賃貸管理に関する国の指針や法令などがまだない時で、協会は〝日本の賃貸管理のスタンダードモデルを作る〟という大きな志を掲げ、賃貸管理業のあるべき姿を模索しながら管理の適正化に向けて国への提言なども行い、取り組んできた」

 「賃貸管理業務と媒介業務を整理するために『賃貸管理業務フロー』を作成し、14年には貸主・借主・賃貸不動産管理業者・サブリース事業者の4者がそれぞれ適正な管理のためにどのような責任を果たさなければならないかを具体的に示した『賃貸不動産管理 標準化ガイドライン』をとりまとめた。管理業者は貸主であるオーナーの資産を守り、借主である入居者の安全・安心を守り住みやすい環境を整えなくてはいけない」

 ――賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の制定に関する所感を。

 「全宅管理が追い求めてきた法整備がやっとかなった。法制化に向けて具体的な議論をする国土交通省の検討会では全宅管理を代表して私も参画し、現場と団体の立場から様々な意見を述べてきた」

 「法整備により、賃貸管理業の認知度が上がると共に、よりプロとしての知見が求められ、業者の責任の重さが問われる時代になってくる。賃貸管理業者に対する社会的な見方もこれまでと異なるものになってくるだろう」

 「今回、管理戸数200戸未満の業者は国交省への登録が義務ではないが、管理業者として他社と競合した際に、国に登録していることが優位性となり、物件オーナーや入居者へアピールできるので、登録することのメリットも大きい。管理戸数200戸未満の会員業者にも登録することを勧めていく」

 ――6月15日の施行までの協会の取り組みは。

 「賃貸管理の適正化法により、改めて賃貸管理業務と媒介業務の線引きがはっきりする。この1年間は、現場で混乱が生じないように、法律の中身や運用などについて随時ホームページやメールマガジンで会員へ周知し、4月発行の会報誌

『全宅管理』の中では、賃貸管理適正化法の施行に向けて各種文書の策定や登録制度の詳細を検討する国交省の検討会で委員も務められた熊谷則一弁護士に、管理業の登録制度について解説してもらった。2月にはオンライン開催の『賃貸管理フェス2021』で、国交省の不動産・建設経済局の倉石誠司・参事官に適正化法の重要項目について説明していただいた。今月には登録制度に特化したセミナーをオンラインで実施する」

求められる人間力

 ――賃貸不動産経営管理士や賃貸管理業者の今後のあるべき姿とは。

 「適正化法が施行され、賃貸不動産経営管理士が国家資格になる。宅地建物取引士も業務管理者講習を受ければ法律が求める業務管理者になれるが、賃貸管理士と宅建士では求められるスキルも学ぶべき知識も異なるので、宅建士にもぜひ賃貸管理士の資格を取ってもらいたい」

 「賃貸管理士には高い倫理観の下、貸主と借主どちら側にも属さない中立性が求められる。科学的な根拠や知見を基に、依頼者へ適切なアドバイスを行うことが大切だ。AI技術などの導入はとても重要だが、現場ではあくまでもツールにすぎない。全宅管理のスローガンである『「住まう」に、寄りそう』にも集約されるが、人の心をつかむことが必要で人間力が求められる。地域を知り、熟知しているのは地場の不動産業者。賃貸管理業は資産価値の維持と向上に貢献する仕事で、地域の価値向上、地域を守ることにもつながる」

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