住まい・暮らし・文化

GW商戦に向け新商品相次ぐ スキップフロア、ニューノーマル対応を提案 富裕層向けや普及価格の大空間も

 住宅メーカー各社は、例年ゴールデンウイーク商戦に合わせて新商品を投入する。今年はスキップフロア提案やニューノーマル対応を訴求する商品が目立つ。一方、コロナ禍で動きがある富裕層の住宅需要に対応するために最高級の商品投入や、普及価格で大空間を実現した商品の投入など個性を打ち出した企業もある。東京や大阪など緊急事態宣言の下で住宅展示場での集客が難しい中、例年とは異なるゴールデンウイーク商戦となりそうだ。

富裕層向け木造最高級ブランドを新展開 大和ハウス工業

 大和ハウス工業は、4月29日、三大都市圏における都市部の富裕層に向けに注文住宅「Wood Residence MARE―希―(マレ)」を発売した。同社最上位の住宅ブランドで1坪当たり165万円以上、本体価格7000万円以上とし、年間100棟を目標とする。「マレ」は自由度が高い木造とRC造を組み合わせた混構造とすることで、最大天井高4.1メートル、最大開口幅9メートルを実現すると共に、地階や地上3階建てなど都市部での有効な空間活用を提案する。

 同社によると、コロナ禍でも本体価格5000万円以上の高価格帯住宅は、コロナ前と比較して20%増加した。富裕層のニーズとして、こだわりがあるものやパーソナライズされたもの、最高級のものを求めると判断。このニーズに対応する注文住宅として「マレ」を展開する。

 同社は経験豊富なトップデザイナーチーム「ZIZAI DesignOffice(ジザイ デザインオフィス)」を東京と大阪に新設。また、国産ヒノキを構造用集成材として採用するなど素材へのこだわりも訴求し、富裕層のニーズを取り込む。

ハイム50周年記念第3弾で平屋を発売 セキスイハイム

 積水化学工業住宅カンパニーは、4月28日からパルフェ-bjスタイル平屋「STAY&WORKモデル」を発売した。セキスイハイム50周年記念シリーズの第3弾。ニューノーマルな暮らしにおいて重要となるキレイな空気と快適な温度を維持するため、独自の熱交換型第一種換気・空調システム「快適エアリー」を標準搭載し、空間を有効活用する「スキップアップピット」により、快適な在宅ワークを実現する。ZEHにも標準対応する。価格は1坪当たり88万円台(税抜き)から。販売目標は年間100棟。

最上位ブランドでスキップフロアを提案 ミサワホーム

 ミサワホームは、「CENTURY 蔵のある家 FREE LIVING(フリーリビング)」を4月29日に発売した。最上位ブランド「CENTURY(センチュリー)」のラインアップを拡充。在宅ワークや感染症予防の提案に加え、リビングを高天井としながら、より快適で多彩に使うために、大収納空間「蔵」の新タイプ「フリーリビングユニット」を設けたスキップフロアデザインを提案する。本体価格3200万円、1坪当たり約92万円(税抜き、首都圏、モデルプラン)、販売目標は21年度中に180棟。

家族の空間と自分ごと集中空間を両立する平屋 パナソニックホームズ

 パナソニックホームズは、平屋の注文住宅「カサート 平屋 スキップスタイル」を4月27日から発売した。ニューノーマル時代において新しい家族のつながり方を考えた提案とした。深い軒下で室内外を自然につなぐ「軒下屋外テラス」をはじめ、床面を上げ下げした「ダウンフロア」や「アップフロア」、屋根裏に設ける「ロフト」などを組み合わせた空間を提案。家族と共に過ごす空間と自分ごとに集中できる空間の両立を特長とする。価格は1坪当たり90万円台(税抜き)からとし、年間120棟を販売目標としている。

3つの空間提案「風通しの良い家」 三菱地所ホーム

 三菱地所ホームは、全館空調「エアロテック」を搭載した注文住宅「風通しの良い家」の展開を4月27日から開始した。都心から少し離れた場所の広々とした家でシンプルに暮らしたい家族がターゲット。「ウイルス・ケアゾーン」、「TOHRI-NIWA(とおり-にわ)」「ステップKDL」の3つの空間提案が特長となっており、ウイルスや臭気、花粉の影響を軽減し、「通り庭」をヒントに遊びや運動など様々に使える空間を設置。また、床レベルに段差を付けて、外食気分が味わえるキッチンを備える。価格は1坪当たり約78万円(税抜き)となっている。

 ワークスペースを各所に設けてくつろげる場所を自由に選択できるようにした。「昨年度は秋以降が好調で、コロナ前の予想を150%上回ることができた。市況や環境の変化に応じたものを出しながら、独自の住まいづくりを提案していきたい」(加藤博文社長)とした。

アキュラH「超空間の家」

スウェーデンH、プラン拡充

 アキュラホームは4月24日、新木造「超空間の家」の発売を開始した。「超空間の家」は、独自に壁や基礎の耐震・耐風性能を向上させ、約6メートルのワイド開口などを実現。従来、広い空間の木造住宅は高いコストで実現していたが、普及価格での提供を可能とした。

 また、スウェーデンハウスは、セレクト型注文住宅商品「Hemma Bäst!(ヘンマベスト)」の現行155プランに15プランを追加し、4月28日から全170プランに拡充した。全プランにリモートワークスペースを設置。アイランドキッチンを一部のプランに採用するなど、これまでの顧客の要望を反映した。