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コロナ禍の外国人賃貸(下) 危機に学び商機へ オンラインニーズに手応え 企業姿勢の発信不可欠に 

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GTNでは「Zoom」を基に開発した「オンライン仲介サービス」の提供を開始した
 前号では、コロナ禍で外国人の住まい探し・生活支援に奔走した不動産事業者の取り組みを紹介した。今後、日本の不動産事業者や賃貸オーナーはどのような視点から外国人の住まい探しにかかわるべきか。現場で生まれた課題やキーワードから展望する。

 ライフル(東京都千代田区、井上高志社長)は3月以降、「ライフルホームズ」加盟店企業に対し、新型コロナに関する意識調査を実施。新型コロナが企業活動に与える影響やユーザー行動の変化を定点観測すると共に事業者・ユーザーの安全な取引を支えるためオンラインサービスの無償提供を継続している。

 同社では19年11月に国籍や年齢、性別など様々なバックグラウンドを持つ人と、相談に応じる不動産会社をつなぐ「ライフルホームズ フレンドリードア」を始動した。いわゆる「住宅弱者」と呼ばれる人たちを支援する取り組みで、同社によると4月以降、ユーザーの閲覧数が増加。特に「外国籍フレンドリー」を掲げる企業数は全国で1130社(5月上旬時点)と、年初の約700社から増加しており、「不動産会社が自ら管理画面上で対応可能者であるか否かをチェックするため、住まい探しにおける企業の姿勢をユーザーに示す意味合いが大きい」と説明。実際、NPO法人などから支援者の住まい探しをする際に不動産会社を探しやすくなったという声が聞かれている。

日本への視線は熱く

 企業姿勢の可視化は外国人の賃貸仲介においても重要だ。国内の外国人マーケットについて、就職支援事業も担うグローバルトラストネットワークス(GTN)の後藤裕幸社長は「東日本大震災後と異なり、新型コロナは世界規模。アジア圏の回復も後押しし、日本国内の採用決定者のキャンセル率は低い。不要不急は避けられるため、渡航できなかった留学生や就労者など必要性が高い人から動き出す」と分析。農業、建築、介護など外国人人材に期待する日本の就労現場の実情を明かし、「日本で働く労働者の家族や友人が来日する動きが第2陣」と予測する。

 当面はステイホームへの対応を構想しており、5月11日には、来店せずに物件提案から契約まで完結する「オンライン仲介」を開始。リアルに近い接客の提供を目指し、ウェブ会議ツール「Zoom」を基に開発した。従来の来店や内見に伴う移動時間などの手間が削減され、ユーザーの満足度は高いという。事業者側も在宅で仲介できるため、多店舗展開の必要や地域性の制限がない。初動の手応えについて「母数は少ないが、成約率は落ちていない。外国人に親和性が高い」(後藤社長)と評価し、〝アフターコロナ〟時代でも有効な仲介手段として認識を深めた。 

 ライフルもオンラインによる住まい探しの増加を予測し、「不動産会社も保証会社もオンラインかつ多言語対応を進めることが商機の分かれ目」と指摘。更にコロナ禍によって、リモートワークが加速し、都心ではなく地方に住みたい人の流れも出てくると見た上で、「都心での空室化がこれから進んでいく場合、都心の賃貸オーナーは空室対策としても海外からのユーザーをしっかり受け入れられる体制を整えていく必要がある」(同社)と指摘する。

 後藤社長もデジタル化推進を掲げると共に、ステイホーム、ステイカントリー(国・地方)による人材活用や、働き方、企業のマネジメントの変化を見据える。「不動産業界でオンライン仲介が標準化した場合、ユーザーの物件検索率の高い夜の時間帯に、現地内見の必要がない、効率的な営業活動が可能となる。形式よりも本質、勤務時間よりもアウトプット、東京一局集中から日本中どこでも可能となり、住まいも働き方の選択肢も広がる」と展望する。

「口コミ」を育てる

 エヌアセット(神奈川県川崎市、宮川恒雄社長)は、「対面」「非対面」の使い分けに磨きをかける構想だ。

 同社では4月10日に来店不要の部屋探しサービス「リモートレント」をリリース。ビデオ通話、VR内覧による成約も複数出てきており、遠方に住む日本人や法人の住居整備担当者の評価も上々だという。外国人のニーズにも合致し、現状はビザや入国制限で決めきれない顧客も、状況の改善と共に案件化していくと予想する。

 同社では、コロナ禍で外国人スタッフが自ら補助金に関する情報を入居者に一斉案内するなど自発的な取り組みも生まれた。今後、外国人仲介を伸ばすためには、自社で外国語対応の物件検索サイトを立ち上げ、仲介に積極的に関与することを認識。加えて、(1)成約顧客のコミュニティを育てて口コミ・紹介を得ること、(2)対応する外国語の拡大、(3)地元法人との連携――などを挙げる。「各所で情報発信はあるが、ユーザーが必要な情報に届いていない状況もある。行政とも地元サービスの情報伝達の整備が日常から必要である点を確認した」(同社)。「リモートレント」も接触・対面時間削減の一助と位置付け、ユーザーのよりよい物件探しを追求していく考えだ。

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