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コロナ禍の外国人賃貸(上) 危機に学び商機へ 変革を迫られた繁忙期 ビザや金銭、募る生活不安 寄り添う支援に反響も

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GTNは5月22日、10万円の「特別定額給付金」の申請方法を5言語で解説した動画の公開を開始した
 世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、住宅・不動産領域でも変革を迫られた春の繁忙期。不要不急の外出自粛による来店者数の減少、店舗営業休止によるテナント収入の減少に加え、「非対面ニーズ」への対応という新たな課題も浮き彫りになった。 そんな中、近年、日本の重要な人材・労働力として注目を集める外国人の動向が不動産市場に与える影響も見逃せない。 法務省(出入国在留管理庁、20年3月27日報道発表資料)によると、19(令和元)年末の在留外国人数は293万3137人(18年末比20万2044人増加)で、過去最高を更新した。このうち技能実習者は約41.1万人、留学生は約34.6万人。日本の企業等に就職することを目的とした在留資格「技術・人文知識・国際業務」の在留外国人数は約27.2万人に上っており、日本を支える外国人への適切な住まいの提供は住宅・不動産業界にとっても重大な責務だ。 新型コロナウイルス感染拡大の中、日本に在留する外国人および日本で住まいを探す外国人は住生活の何に不安を抱き、不動産事業者に救いを求めたのか。外国人の仲介や生活支援に積極的な不動産事業者等の取り組みを例に、アフターコロナ時代に発揮するべき不動産事業者の強みを考えたい。

渡航制限、成約減に影響

 家賃債務保証を主軸に、賃貸仲介、就職支援など外国人専門の生活総合支援事業を展開するグローバルトラストネットワークス(GTN、東京都豊島区、後藤裕幸社長)は、外国人向け部屋探しサイト「ベストエステート」を運営する。アクセスは世界100カ国以上。オーナーの許諾を得た物件約11万件を掲載し、月間ページビューは約20万件に上る。日本国内からの利用者が全体の7割を占め、国外からは韓国、アメリカ、台湾、中国、ベトナムと続く。年代では25~34歳が48%と最多で、留学目的が6割、就労目的が4割という状況だ。

 GTNの20年2~4月における賃貸仲介の成約件数は約400件と、前年同期から約17%減少した。新型コロナの影響によって3~4月は入学や就職が決まっていた外国人の入国待ちが発生。春休み期間中に帰国したため日本に戻れず、家賃の支払いのみ続いているケースもある。

 また、伝達事項や解約サポート、支払いなど毎月6000件以上の問い合わせに対応する同社の生活サポート事業部では今期は4月のみで8000件に達し、入居者本人やその親から新型コロナに関する相談が多く寄せられたという。このような状況を踏まえ、同社は4月6日、日本国内のコロナ情報を多言語で配信する取り組みを開始。「日本の情勢を伝える海外報道は、日本独特のニュアンスが異なる形で伝えられることもあり、不安を煽られてしまう」(後藤社長)と、正しい情報の発信が重要と考えた。若年層、特に単身者を想定。作業をしながら気軽に聴けるように音声配信を選択し、先輩、後輩のQ&A形式で分かりやすい構成とした。外国人居住者の親のほか、雇用している企業が居住者に視聴を進めるケースもあるという。

 更に5月22日には、10万円の「特別定額給付金」の申請方法を5言語で解説した動画も公開。「給付対象者の条件や必要書類を含め、申請までの流れを母語で丁寧に説明した。そもそも外国人には申請書が届かないリスクも高く、そのことを知らない人も多い」(後藤社長)とし、配信開始から5日後の27日時点で英語版のユーチューブ動画は視聴1000回を突破するなど、関心の高さをうかがわせる。

信頼構築に課題感

 神奈川県川崎市で年間約1000件の賃貸仲介件数、約3600戸の賃貸管理戸数を誇るエヌアセット(宮川恒雄社長)も外国人仲介に注力する。東急田園都市線の溝の口駅、高津駅に店舗を構える同社では仲介件数の6割は自社で直接取引する「直客」だ。地域企業・従業員を〝職住近接〟の面から手厚く支える「住まいサポート・法人パック」の提供や外国人専門スタッフによる外国人仲介が奏功し、近年成約件数は増加していたが、新型コロナにより20年1~4月の4カ月の仲介件数は393件(前年同期比0.8%減)。他社が客付けする「業者付け」は165件(同24.4%減)と下振れしたものの、直客が228件(同28.0%増)と伸びたため、横ばいを維持した。このうち1~4月の外国人仲介の成約件数は全取引の1割超となる40件。日本で働く就労者の住み替え比率が高く、「顧客には歩合給の外国語講師が多いため、部屋探し中の人、入居者共に金銭的な課題が甚大。海外から探していた人も隔離期間中にビザの期限が切れてしまう点を危惧した」(同社)と振り返る。

 同社では緊急事態宣言発令を受けて、独自の感染予防策を推進すると共に、5月下旬まで店頭での部屋探しを中止した。従来もビデオ通話などによる非対面の内見はあったが、内見せずに成約にまで至るのは一部の人気物件に限られており、引っ越しは延期にすべきという声の多さに驚いたという。「駅近に店舗を構える当社では、『グーグル口コミ』などを見て、ふらっと来店するユーザーが近年増加していた。当社スタッフからの提案を受けたいという一定の顧客層に対し、今期は面談やヒアリングを通して十分な信頼関係を構築することが難しかった」と分析。次期の課題として、ユーザーが自身の要望に沿った物件の探し方が簡単に選択できるサービス設計を進めることとした。(続く)

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