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大言小語 消費増税、あれこれ

 消費税率が10%に引き上げられて1週間。増税初日は、様々な店舗で切り替えがうまくいかないなど混乱もあったが、大きなトラブルはなく、政府もほっとしているのではないか。

 ▼それでも問題が起きるのは税負担者よりも、納税義務者である販売者側のほうが多い。軽減税率について、例えばコンビニの持ち帰りは消費税率8%だが、イートインは10%。何も言わないで8%で買っておいて、イートインで食べる客が複数いたという。店側では、「ダメとは言えないし、ましてや追加分2%を取るなんてできない」と言う。また、筆者が利用するコンビニではいつも満員だったイートインが空いている。それはそれで店の売り上げが少なくなる。レジの更新など店側の負担はかなり大きい。

 ▼小規模店舗の中には、今回の対応ができず、店を閉めてしまうところがある。地域密着の昔ながらの店が多く、その地域で愛された店だ。昔ながらの味は失われ、対応ができる大手外食チェーン店ばかり増える。味気ない世の中だ。

 ▼さて、住宅・不動産にはどんな影響が出るだろう。住宅ローン減税の拡充や次世代住宅ポイントなど施策は打っている。駆け込みがなかった分、販売増となるか。駆け込みも何もなく、右肩下がりになるか。これは消費増税だけの問題ではない。世界情勢の不安定要因なども絡み、消費者心理がどう影響するか。傍観者ではいられない。