総合

大言小語 サブスクリプション

 空きスペースを有効活用して収益化する「シェアリングビジネス」が不動産業界で浸透し始めている。自社内の会議室や店舗の駐車場、またはデッドスペースまで、あらゆる空間をお金に変えてしまうアイデア。どうして昔は、こうした発想がなかったのか。

 ▼JR東日本は、新幹線車両の最後列の座先の背もたれと壁のすき間の空間を、事前予約制にするという。指定席とのセットで予約購入できるが、この荷物スペース自体には追加料金は発生しない。無料で収益化しないながらも、顧客利便性に資するアイデアだ。先を競って、あの背もたれの空間に大きなスーツケースを置く争いも、来夏からはなくなりそうだ。

 ▼また、JR東日本ウォータービジネスでは、駅構内の最新の自動販売機で「月額制」を開始するという。月額980円で1日1本を購入できる。普通に130円の飲料を月30日間購入すれば3900円であり、お得感の強いサービスとなりそうだ。

 ▼IT業界では、ビットキーがスマートロックを月額300円で提供している。この定額制サービスを最近は、「サブスクリプション」と呼んで、各商業界で注目されている。考えれば、不動産業界にも昔から、サブスクリプションはある。不動産管理業務だ。その〝老舗〟として、また新たな定額制サービスを生み出し、業界を活性化する役割が不動産管理会社にある、と言えば、言い過ぎだろうか。