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社説 マンションの二つの老い 管理水準の底上げを急げ

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 マンションストック700万戸時代を迎えて、建物の老朽化と入居者の高齢化が同時に進行するいわゆるマンションの「二つの老い」の問題は管理組合、管理業界にとどまらず日本社会の深刻な問題だ。春に発表されたマンション総合調査によれば、マンションに居住する世帯主の年齢は、60、70代が約半数を占め、20年前と比べるとほぼ倍増している。管理費などの滞納が発生しているマンションの割合は全体平均で24.6%、89(平成元)年以前のマンションに限れば30%を超える。また計画に対して修繕積立金の積立額が不足していると回答したマンションは34.8%に上っていることなども分かった。管理にかかわる問題はこれらをはじめとして多岐にわたっており、管理とコストに対する意識の低さが根底にあると見られている。

 そうした中、これまでマンション管理が不動産流通市場で適切に評価されるための情報開示に取り組んできたマンション管理業協会が中心となって、開発、流通分野などの不動産関連団体と共に、情報開示の仕組みづくりを目指す「マンション管理適正評価研究会」が9月にスタートする。管理の重要性や大切さを消費者に広く理解してもらい、管理水準の底上げを図っていくことが目的となる。

 総ストックの8割が集中している大都市部では特に、新築の用地不足を受けて中古マンションの取引が活発化してきており、管理にかかわる諸問題が不動産売買の際にトラブルに発展することが危惧されている。新築分譲時に想定される長期にわたる管理費、修繕積立金のコストの正確性も求められる。特に管理の最前線に立つ管理業界にとって、管理適正化へ管理組合を誘導していくことは喫緊の課題であり、情報開示は避けられない問題であることは明らかだ。

流通市場で普及へ

 同協会が検討している開示の仕組みは、まだ素案段階だが、管理の仕様を示す標準見積もり書式やインスペクションガイドライン、価格査定マニュアルなどをベースとして10項目ほどの指標を抽出し、等級評価とすることを想定している。売買仲介で表記される物件概要に、管理の等級ランクが併記されるような形で市場での普及を目指すとともに、価格査定マニュアルへの反映も視野に入れているという。

 マンション管理の水準が流通市場で評価されるようになると、当然、マンション価格すなわち資産価値の評価にも大きな影響を与えることが予想される。同研究会では、情報開示の仕組みづくりに加えて、評価が低いマンションの管理をどのように改善していくべきなのか、その財源確保も含めて具体案も検討されるべきだろう。情報開示ばかりが先行して、管理水準の底上げが伴わないようでは本末転倒になりかねない。

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