総合

大言小語 長寿化は未来をどう変える

 人間の寿命が長くなるということは、それだけ人と住まいとの関係も深くなるということだ。同じ家に長く住むということもあれば、一生の間に次から次へと住み替えていく回数が多くなるということもあるだろう。いずれにしても、人生においてどのような家に住むかということが、大きな意味をもってくる。

 ▼では寿命が長くなると人間関係はどう変化するのだろうか。いずれ「人生100年時代」がやってくると、かつて日本人の平均寿命が50歳だった頃に比べて関係する人間の数が2倍に増えるのだろうか。それともそれぞれの人間関係が長く続き、中味も濃いものになっていくのだろうか。いずれにしても人と住まいとの関係同様に、人生において人間関係が果たす意味合いが今よりもずっと大きく深くなってくる予感がする。

 ▼例えば今は離婚が増えているとはいえ、まだまだ〝特別なこと〟と捉えられているが、「人生100年時代」は、もしかすると2回以上結婚するのが普通の世の中になっているかもしれない。職業や住まい、更にはパートナーを替えながら長い人生を生きていくスタイルが常識化しているかもしれない。

 ▼そうした個々の人間の価値観の変化や多様化に加え、ロボット×人工知能という技術の発達が人間社会を想像もできない姿に変貌させていくのではないかと不安である。なぜなら人間社会が常に進歩していくとは限らないのだから。