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購読会員限定混迷の賃貸住宅市場 なぜ増える空室 (下) 混乱招く基準の異なる空室率

住宅新報 2017年6月13日 号 1面

政策
  • 総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」より

    1 / 2総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」より

昨年、首都圏の賃貸住宅市場で業界関係者の関心を集めたのが空室率だ。サブリース問題に加え、空き家の急増がクローズアップされた中で、首都圏の2つの県で低層賃貸住宅の空室率が35%を超えたという調査結果がマスコミ報道で一気に広まったからだ。大手サブリース会社からは、実態を表していないという指摘が相次いで騒ぎが大きくなった。前半では、供給の推移や需要の多様化を辿ってきたが、後半は空室率について考えると共に、今後の賃貸住宅市場を展望する。

 一般用語のように使われている空室率も、実はその調査元によって定義や集計方法はまちまちであり、統一性がない。例えば、年間の稼働日数をベースにしたものもあれば、賃料収入ベースでカウントするケースもあるなど、調査元の判断によって独自の集計が行われている。よって、異なる調査元がまとめた空室率を、単純に比較できないのが実態だ。

算定基準の理解も

 前出の空室率を発表したのは調査会社のタス。同社も「空室率TVI」という独自の指標を構築し、概ね次のような方法により算出している。不動産会社から賃貸住宅の空室(募集)情報の公開を受けた一民間情報会社のデータを対象にして、例えば、合計4戸の賃貸住宅のうち3戸が入居済み、空室の1戸を募集した場合は空室率25%としている。満室稼働中の物件を母数に入れたものとは異なり、当然、空室率は高めに算出される。これに対して、サブリース会社などは、自社が管理する物件を対象とし、満室稼働中の物件も含めた空室率を公表しているのが一般的だ。前提条件の異なる空室率に開きが生じるのは当然だ。

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