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大言小語 乾いた列島

 今年の正月は、日本国内ほぼ全域で穏やかな気候となり、お天気にも恵まれ、初日の出も楽しめた…、という人がほとんどなのだが、日頃の行いのせいでもないが、小子は大雨に打たれた。この時期の新潟は不安定な天候で、雪にこそならないものの、空は雲に覆われ、時折日が差したかと思ったら、にわか雨が降るという散々な有様。〝雨男〟の面目躍如となってしまった。

 ▼そんな新潟で起きた年末の大火。帰省のため、上野駅のホームで上越新幹線を待っていると、北陸新幹線に多くの人が乗っているのを見て、この中で糸魚川で降り、ボランティアとして活動される人もいるのだろうと思った。乾燥する冬に、フェーン現象が重なり起きた火事。屋根から100メートルも火が移動する〝飛び火〟の恐さも改めて知った。

 ▼日本は天災も多いが、火事などの人災も多く、大規模になる。江戸時代では、火事になると消火ではなく、家を除却して、空き地をつくり、火を食い止めた。今回の糸魚川大火でも、所々延焼を止めたのは、空き地だったという。空き家、空き地対策に奔走しながら、それに助けられる、なんとも皮肉なものだ。

 ▼残念ながら、日本は木造密集地域が多く、火事は切っても切れない仲だ。日頃からの防災が大事なことは、死者を出さなかった糸魚川の日頃からの取り組みからも分かる。しっかりとした防災を心がけよう。