先日、賃貸不動産経営管理士の試験が行われた。受験者数は1万3149人で、一気に昨年比約3倍に増えた。9月に賃貸住宅管理業者登録制度が改正されたことが影響したようだ。事務所ごとに実務経験者を置くことが義務付けられ、この賃貸不動産経営管理士資格者も該当するようになったからだ。同管理士は業界団体の任意資格だが、賃貸住宅経営のプロとして求められる人材になることは大いに考えられる。
▼賃貸住宅建設が止まらない。国土交通省が毎月発表している新設住宅着工戸数によると、10月は前年同月比22%増の3万9950戸だった。12カ月連続の増加だ。季節調整済年率換算では42.5万戸にも達する。これはリーマンショックで景気が低迷する前と同水準のボリュームだ。
▼分譲マンションにも引けを取らないような住みやすい賃貸住宅が市場に供給されることは大歓迎だ。所得が伸び悩む若い世代が、無理にローンを組んで分譲マンションを購入するのはリスクが大きい。
▼アパートなどの賃貸住宅は、従来も今も地主の相続税対策として建てられていることが多い。ただ、最近は個人投資家の資産形成手段としても注目度は高く、収益性を見る目は厳しい。小池百合子都知事ではないが、〝入居者ファースト〟の賃貸住宅であることが重要であり、そのためにも賃貸住宅経営のプロの存在が欠かせない。