政策

大言小語 「山の日」迫る

 「みどり」と「海」に続いて、今年8月に「山の日」が新たに誕生した。今年から8月11日が「山の日」という祝日になった。気の早い人は年末年始に、年間の祝日の並びを確かめて既に「8月11日」の赤い数字に気付いていただろう。お盆休みの直前となる新しい夏の祝日ができ、レジャーや家族サービス、休養かと素直に受け止めるべきであるが、むしろ夏休み前で仕事の進捗を心配してしまうのが現実だ。

 ▼「山の日」が加わって、日本の祝日は年間16日に増えた。祝日のない月が6月だけとなると、次に候補にあがるのは、何の祝日かと勘ぐりたくもなる。ちなみに世界各国の祝日事情を調べてみると、アジア・中東地域では宗教にちなんだ祝日もあり、日本より祝日が多い国が目立つ。反対に欧米先進諸国は日本と同じか、むしろ少ない国が多い。また盆暮れ正月のまとまった休暇がある日本の慣習や、欧米でもロングバケーションが一般的で、祝日以外の休暇は各国の文化や習慣により様々だ。

 ▼働き蜂に例えられるほど、勤勉さが特徴とされたのは昔の話しで、今日ではしっかりと休むことのほうが大切なこととされるように、日本の社会も様変わりした。祝日や休みの日数だけで比べるのはいささか乱暴だが、増える休みが、生活や家族、更には社会にどのような恩恵をもたらしてくれるのか、改めて考えてみることも必要だ。