総合

大言小語 国造りは家づくり

 言葉にこだわり、言葉の中から商品を生み出す。「真面目生活よりも面白生活」「たかが家、されど家」「経年楽観主義」等々。個性派住宅BESSブランドを展開するアールシーコアは、自社の住まいづくりを語る言葉を集めた小冊子を作成した(8面参照)。短い言葉で、住まいづくりの本質に迫ろうとする。

 ▼元小泉純一郎首相も短い言葉で、劇場型政治を演出した。「自民党をぶっ壊す」「改革なくして成長なし」「私の方針に反対する勢力は、すべて抵抗勢力」等々。両者の違いは何か。小泉氏の言葉は中身がなく空疎だったが、アールシーコアの言葉は、その思想が、住まいという実体を通して奥深く作り込まれている。

 ▼今年度から農林省の「木材利用ポイント制度」が始まった。これを機に、住宅・不動産業界は率先して国産材の活用促進に向け動き出すべきだ。ポイントをもらえるから利用するという〝受け身〟ではなく、日本の林業育成という業界が果たすべき社会的使命を深く認識し、各業界団体が大同団結するときである。いつも国に何かを求めるのではなく、民自ら自分たちの国を創っていくという気概を持つべきではないか。

 ▼日本という国をどう再生すればいいのだろう。どうすれば、誰もが国の未来を思い、隣人の幸福を気に掛ける、いい社会になるだろうか。国や社会の最小単位は家庭である。ならば「国造りは家づくり」ではないだろうか。