総合

大言小語 電子頭脳との付き合い方

 現在、将棋の「電王戦」が行われている。これは、プロ棋士とコンピューターとの対戦、5人対5将棋ソフトとの平手戦だ。プロの中にはバリバリの若手棋士やA級八段も居て、まさしく真剣勝負。チェスの世界では、トッププロを負かすソフトが生まれており、将棋、囲碁のプロにまでコンピューターの力は迫っているのだ。

 ▼不動産業界でも、音声機能を持つロボット家電の活用やスマートタウンなどでコンピューターが活躍している。将来的には、お手伝いロボットや介護ロボットなどが一般家庭にまで普及し、人間にとってなくてはならない存在になろう。

 ▼気掛かりなのは、米国などで登場している戦争ロボットだ。人間ではたどり着けないような狭隘な場所にも入り込み、爆弾を落とす。高い岩場を何なく登り、敵を倒す。何らためらいもなくだ。機械的に殺人を犯すロボットで、戦争をしている感覚までなくすのではなかろうか。

 ▼これからもコンピューター、ロボットは発達し続けるだろう。果たして、それが一人歩きはしないだろうか。マンガの世界では、「鉄腕アトム」など人間の心を持つロボットも現れる。電子頭脳の発達で、人間と相対すロボットの出現が混乱を巻き起こす可能性も否定出来ない。人間がコンピューターやロボットとうまく付き合う方法を考えていかなければならない。