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大言小語 練達の大人はいるか

 解散が決まったとたんに民主党を離脱する国会議員を見ていると、いち早く反旗を翻した小沢一郎元代表の方が、まだ潔く見えてくる。いわゆる第3極の政治勢力が不可欠と「何がなんでも大連合を実現する」と叫ぶ石原慎太郎前都知事は〝暴走老人〟なんてとんでもない。新しい日本をつくるため、薩長同盟実現に命を掛けた坂本竜馬をほうふつとさせる。

 ▼ところで、その石原氏から「硬直した日本の官僚制度を改革しない限り、日本は消滅する」とまで言われた当の中央官僚たちは、どう考えているのだろうか。大連合が実現したら、新党首と官僚代表との討論こそ見てみたいものだ。我が国の党首討論は、見る前から想像できたような内容ばかりで面白くない。最高の頭脳と自負する官僚の反論こそ聞いてみたい。

 ▼3、4歳の小さな女の子が「お仕事手伝う」と言いながら毎日、愛くるしい顔を見せる居酒屋に通い始めて1カ月。その〝看板娘〟を見ていると、何でも手伝いたがる好奇心の旺盛さに驚く。子供は初めて見るものばかりだから当然かもしれない。しかし、真の大人なら様々な角度でモノを見ることができるのだから同等だ。

 ▼「最後のご奉公をしたい」と熱く語った石原氏の言葉が、芥川賞作家、国会議員、都知事という華やかな人生を送ることで練達した真の男の決意であることを信じたい。