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鹿児島・大崎町で官民連携の体験型宿泊施設工、資源循環の地域拠点に

 鹿児島県曽於郡大崎町の「大崎町SDGs推進協議会」(千歳史郎代表理事)はこのほど、体験型宿泊施設「OSAKINI Base(仮称)」の着工式を実施した。資源循環をテーマとした〝サーキュラービレッジ大崎町〟を掲げる同町として、そのビジョンを具現する初のシンボル施設と位置付ける。

 同町は20年以上にわたってごみの分別や再利用に力を入れており、住民・企業・行政の3者が協力して、焼却炉に頼らない低コストな廃棄物処理システムを考案。独自の「大崎リサイクルシステム」を構築してサーキュラーエコノミーの実現を図り、これまでに12年連続を含む計14回の「資源リサイクル率日本一」(環境省発表)を獲得している。

 同協議会は、こうした取り組みを土台として「循環型の街づくりを、より多面的に展開する」(同協議会)ことを目的として、21年4月に設立された一般社団法人。同町やMBC南日本放送、鹿児島相互信用金庫、そおリサイクルセンターなど、官民の計6主体が参画する。
同宿泊施設は、こうした同町の取り組みを体験できる施設として開設するもの。加えて、生ごみ堆肥を活用した畑作りの区画や、エネルギー効率を最大化した高気密・高断熱仕様を採用するなど、環境負荷の軽減とその体験機会を用意する。建物は補強コンクリートブロック造・平屋建て、延べ床面積は約100平方メートル。23年12月の完成を目指す。

 千歳代表理事は着工式典で、「リサイクル研修に訪れた企業等にとって『これからのごみの捨て方を含めた地域の暮らしを学べる施設』であると共に、地域や関係者の皆様と一緒に作り上げてきた施設として、気軽に活用してもらえる地域の拠点となっていくことを期待する」と述べている。

(画像) 「OSAKINI Base(仮称)」完成イメージ