政策

マンション標準管理規約、改正骨子案まとまる 災害時対応は理事会決定で可に

 国土交通省はこのほど、マンション標準管理規約の改正骨子案をまとめた。お盆前にも国民から幅広い意見を集めるパブリックコメント(パブコメ)を実施し、その結果をもとに再度有識者らで構成する「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(福井秀夫座長=政策研究大学院大学教授)で議論を続ける。年内にも最終取りまとめを行う予定だ。

 「マンション管理における外部専門家の活用」「反社会的勢力(暴力団)対策」「災害など緊急時の合意形成などのルール」を、それぞれ現行の標準管理規約に新設・追加する内容。その中で、災害時に総会が開催できず、緊急対応工事などを進められない場合の解決策として議論された「緊急時の合意形成」については、54条の「理事会の議決事項」に、「災害発生で総会開催が困難な場合で、生命の危険、二次災害の防止など、緊急の応急復旧などを行うことが有効と思われる事項」を追加する。更に、その際の修繕積立金の取り崩しについても理事会決議だけで可能になるよう改正する。これで、理事会の意思決定で緊急時に対応できる体制を定めることになるが、更に、理事会開催も困難な場合についても定める。

 38条の理事長に関する定めに、「(災害時の合意形成である)理事会決議が得られない場合の緊急対応は、理事長が管理者として実施する権利を有し、義務を負う」として、理事長の判断で対応できるようにする。なお、理事長にはその実施後に速やかに区分所有者へ報告することを求めている。