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大言小語 防犯カメラが見ている

 ▼外国人が日本を評価する際に治安の良さ、礼儀正しさなどを挙げる。財布などを落としても拾った人が交番に届けてくれて手元に戻ってくることに驚く外国人は多い。先日、記者が取材先に急いでいるときに、PASMOにお金をチャージして電車に飛び乗ったが、取材を終えて帰宅してから、おつりを取り忘れていたことに気が付いた。「もうだれかに持っていかれている」とあきらめていたが、虎ノ門ヒルズ駅に電話をかけてチャージした時間など状況を説明してみたところ返金されることになった。

 ▼この話には前段がある。最初に妻が駅に電話すると駅員が不審に思ったらしい。「その人は男性ですよね……」と尋ねてきたという。「夫に電話を変わります」と記者が対応したが、カメラ映像に記録されていることを理解した。取り忘れたお金を、しめしめと持ち去った人がいたとしても、その画像で個人が特定され追跡できる。今や街中に防犯カメラが設置され、治安関係者は犯罪抑止になっているとする。街づくりでもセキュリティー面が重視される。

 ▼人口減少に歯止めがかからないニッポン。これから外の人材(外国人)に頼らなければ成り立たなくなる中で、彼ら、彼女らが日本に住み続けたいと思えることが大切だが、それは日本人にとっても居心地の良い国ということになる。居心地と安全性は表裏一体であり、安全・安心なニッポンが保てるよう期待したい。