総合

大言小語 座して死す覚悟あるか

 猛暑が当たり前になった。世界的な現象だ。欧米では熱波による山火事の被害が毎年のように報道される。近年の自然発火は、地球温暖化が原因とされ、その温暖化を止められない人類に地球が警告を発し続けている。政府や経済界がうたう持続可能な社会は本当に実現可能なのだろうか。

 ▼新型コロナは社会構造に変化をもたらしたが、この灼熱下も社会構造の変化に大きな影響を与えそうだ。住宅・不動産業界は住まいやオフィスの快適性を追求するだけでなく、環境問題に対応した開発スキームが求められていると同時に、スクラップ&ビルドではない既存建物の有効活用に知恵を絞り出すことが迫られている。 ▼働き方も大きく変わった。出勤と在宅勤務を併用するハイブリッド体制が定着し、コロナ以前の勤務体制に戻ることはもはやなくオフィスの在り方を問い直す端境期を迎えている。米国の主要都市は5割の出社にとどまり、オフィス空室率が上昇し、賃料も下落している。日本もコロナ前の水準に戻すとは考えにくい。

 ▼地球規模の環境問題にAIが解を導き出す時代が来るのだろうか。だがAIの知識・情報は人が与えているもので、それを超える解決策が生まれるにはAIに自我が芽生え自ら考えだすようにならなければ難しい。そんな映画もあったが結局は世界が終末を迎えた。座して死す覚悟ならばそれはそれでよいが、ゆでガエルは避けたいところだ。