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大言小語 業界は魅力を発信できるか

 業界団体は総会ラッシュを迎えている。行動制限もなくなり今年は対面での開催が復活した。取材活動もオンラインから対面で行われるようになり、通勤電車も混雑するなどコロナ前の社会経済活動に戻った。 ▼ただ、業種・業態によってはリモートワークを続けている企業もあり、若者はそうした会社を選ぶ傾向が強いようだ。転勤せずに好きな所に住んで東京に勤務できる制度を導入する大手企業やリモートワークを条件に転職活動をするケースも出ている。

 ▼売り手市場である就職戦線。大学生の就職活動は既に7割方が内定をもらっているという。企業は優秀な人材を確保するのに躍起だ。先日、理容店に行くと「この世界はチェーン店などで一定程度勤めたら独立する人が多くて競争が激しいが、独立後に店を大きくするも小さくするも自分の裁量次第でやりがいはある。チェーン店時代は意味もなく夜遅くまで残れと命令されたりもした。ブラックは業界を問わず生き残れない時代だ」と話す。 ▼不動産業界はどうか。仲介会社で営業マンの評価の仕方を見直す機運が広がりつつある。昔は数字を上げればよかったが今は統率力や企画・マネジメント力で判断され、会社の核になる人材育成にカジを切っている。一方、廃業に追い込まれる地場不動産会社も多い。子どもが「継ぎたくない」と別の業界を選ぶ話も聞く。不動産業界の魅力を上げることは待ったなしだ。