総合

大言小語 魅力発信できない官民

 ▼ゴールデンウイーク真っ盛り。5月2日号がどこまで読まれているかはさておき、今年は3年ぶりに行動制限がなく、大手を振って旅行に行けることで国内外の観光地は久々の繁忙期を迎えている。外国人観光客も急回復している。ただ、新型コロナ禍で人員整理が進み、その後も働き手が戻ってこないことから著しい人手不足に陥っている。ホテル・旅館や飲食・サービス業は、てんやわんや。1人で二役、三役は当たり前になっているという。

 ▼不動産業界に目を転じれば、行動に制限がなくなったことで賃貸住宅業界はにぎわいを取り戻し始めた。コロナ渦中を振り返ると、特に緊急事態宣言中は人の動きが凍り付き、引っ越しをためらう人が増えたことで仲介現場から「暇を持て余すとともに将来への不安を感じる」との声が上がり、賃貸管理の現場は、「在宅時間が増加したことで騒音問題など住民同士のトラブルが増えた」と嘆く声も少なくなかった。

 ▼コロナで社会構造はどの程度まで変わったのか。働き方を見直す契機になったのは間違いない。リモートワークは会社に行かずとも仕事ができることを証明した。半面、人と会うことで生まれる相乗効果も実感させた。それぞれの良いとこ取りで柔軟に対応しなければならない。人手不足は前述の業界に限らない。働き方改革から取り残され、若者の霞が関(官僚)離れが話題だが、民間企業も例外ではなくブラックは少なくない。