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大言小語 地方創生 ヒントは身近に

 野球の世界一を決めるワールドベースボールクラシック(WBC)が3月8日に開幕した。超一流選手の参加で注目度は非常に高い。

 ▼これまでの野球の世界大会と言えば、超一流と言われる選手が出場せず盛り上がりに欠けていた。アメリカの各球団は、巨額の年俸を払っている選手が本業のメジャーリーグ以外でケガ・故障で戦線離脱されてはかなわないとの判断が働く。そんな考え方は、今回の大会で投手に細かな球数制限が設けられていることでも分かる。

 ▼一方で世界一を決めるサッカーのワールドカップは異なる。予選からの参加国数を見れば世界的なスポーツであることが分かる。各国のプロリーグはワールドカップが優先され、選手たちもここで優勝することを目指し、超一流の選手が一堂に会する大会だ。野球もサッカーもプロリーグはビジネスである。だが、高額年俸が折り合わずストが起きる米国や企業の宣伝色が強い日本。若年層の野球離れが魅力度を反映している。

 ▼国内に目を転じればプロサッカーのJリーグは今年で誕生30周年となる。野球一辺倒のプロスポーツ界に新風を注ぎ若者に新たな選択肢を提供しただけではない。Jリーグの思想には地域を大切に地域と一緒に発展することがある。プロ野球のようにチーム名に企業名は入らない。国は地方創生を声高に叫ぶが、30年も前にJリーグがそれを始めている。身近なところに地方創生のヒントがある。