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サンケイビル、厚木で単独物流施設第2弾 9月に大阪・摂津でも新物件竣工 環境対応、認証取得に注力

 サンケイビルは、オリジナルの物流施設「SANKEILOGI(サンケイロジ)厚木」(神奈川県厚木市)を8月31日に竣工し、9月1日に満床での稼働を開始した。3月に稼働を開始した「サンケイロジ柏の葉」(千葉県柏市)に続き、同シリーズ第2弾の物件となる。

 「サンケイロジ厚木」では自家消費型太陽光発電システムを採用しており、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)で最高評価の5つ星と「Nearly ZEB」を取得している。同社事業本部新規事業開発部の尾崎良太次長は、「『柏の葉』でも環境負荷低減は意識していたが、『サンケイロジ』として(BELSやZEBなどの)認証を受けたのは今回が初めて。今後の同シリーズでも環境性能には力を入れ、認証取得も可能な限り目指していく」と語る。

 同施設の立地は、東名高速道路厚木ICから約3.9キロ、圏央道海老名ICからは約5.1キロ。厚木エリアは両高速道路へのアクセス性から、広域配送の拠点として物流施設ニーズが高い。また同物件は、神奈川県央エリアの主要鉄道駅の一つである小田急電鉄小田原線本厚木駅を利用可能で、バスと停留所からの徒歩を合わせて約14分の距離。施設への通勤利便性や周辺地域の人口なども意識した立地で、働き手の確保にも配慮した。

 加えて各階にトイレと更衣室を設置し、トラックバースにもドライバー用トイレを用意したほか、女子トイレにはパウダーコーナーを設けるなど、従業員や利用者の快適性を高めることで、テナントへの訴求力向上を図った。

24年冬までに7施設計画

 敷地面積は約6840m2、建物は鉄骨造・4階建てで延べ床面積は約1万4050m2。倉庫フロアの床面積は約2360~3330m2。「柏の葉」よりも延べ床面積にして3000m2程度規模が大きく、尾崎次長は「今後も少しずつ施設規模を拡大していければ」と見通しを述べた。

 設備・機能としては、積載荷重3.5トンの荷物用エレベーターと同1.5トンの垂直搬送機各2基のほか、大型車対応トラックバースとドックレベラーなどを備える。単独または2テナントでの利用を想定した構造の施設で、近隣に拠点を持つ物流会社による1棟賃借により満床での稼働開始となった。賃料は「周辺相場と同水準」(尾崎次長)にとどめており、競合物件の多いエリアながら高評価を受けた様子が見られる。

 同社は今後も、積極的に物流施設開発を進めていく方針。9月に他社との共同事業による「サンケイロジ摂津」(大阪府摂津市)を、23年3月には茨城県つくば市で単独開発の物件を予定するなど、24年冬までに計7施設を竣工する計画だ。