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7月の主要住宅メーカー受注金額 戸建て低調も坪単価上昇続く

 7月の主要住宅メーカー受注速報(金額ベース)では、戸建て住宅の受注が前年同月を上回ったのは9社中2社にとどまったものの、計画は上回るなど、順調に進ちょくした事業者も散見した。戸建て住宅は棟数が減少する一方、1棟単価は上昇する傾向が継続している。また、各社ともリフォームや賃貸住宅の受注は、引き続き堅調な推移を見せた。こどもみらい住宅支援事業など補助金制度の活用については、社によって効果に違いが生じている様子がうかがえた。

 積水ハウスは、戸建て住宅のみ前年同月を下回ったが、前年のハードルの高さによるもので、計画比は上回るなど、順調に推移。一方、分譲住宅は、前年のハードルが低かったことが、7月に入り伸長した要因となった。猛暑や新型コロナウイルス感染症の第7派の影響からか展示場への客足は鈍い状況ではあるものの、高付加価値商品による棟単価の上昇率は、部材高騰による値上げ幅を上回っている。こどもみらい住宅支援事業は、断熱性能の向上や蓄電池の設置といった大型リフォームで活用するケースが増加傾向にあるという。

 住友林業は、先月に引き続き全項目で前年を上回った。既存オーナーリフォームが好調を維持しているほか、こどもみらい住宅支援事業が新築・リフォーム双方の下支えになっている。人員の拡充などの奏功により伸長した賃貸住宅は、オーナーの電気代の悩みなどの解決策としてZEH―Mが好感触を得ている。今後の動向には、6月の値上げの影響を懸念し、慎重な見方を示した。

 旭化成ホームズは、全体では過去2番目の水準だった前年同月を下回ったものの、「業績そのものは悪くない」とする。集合住宅では法人営業が好調を維持しており、前年同月を上回った。

 一方、戸建て住宅は展示場来場者数の低調が響き、棟数は減少。こどもみらい住宅支援事業の効果については、建て替え需要が多いことから、補助金対象者に比べユーザー層の年齢が高く、適用が限定される傾向を示した。

顧客動向は二極化継続

 三井ホームは、先月に引き続き前年を上回ったものの、「前年同月のハードルが低かったことが要因。肌感覚としては好転したわけではなく、手放しでは喜べない状況」との慎重な見方を示す。

 展示場の来場が引き続き低調な中、用地の価格が上がり、取得が難しくなっている点も契約長期化の要因になっているという。棟数は引き続き減少したが、単価は上昇。顧客動向の二極化による〝まだら〟の状況が継続している。