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セミナー 契約審査・管理 ContractS・GVATECH 最新技術で法務を 

 CLM(契約ライフサイクル管理)システム『ContractS CLM』を提供するContractS(東京都千代田区)と、AI(人工知能)契約審査クラウドサービス『GVA assist』(ジーヴァアシスト)を提供するGVA TECH(東京都渋谷区)は、法務と最新技術を融合させる〝リーガルテック〟の導入を解説するセミナーを7月12日に共催し、ウェブで配信した。

 当日は、『他社事例に学ぶ! リーガルテック導入の「稟議の進め方」と「導入後の現在」』と題して、貿易や建設、インフラなど総合商社の原田産業(大阪市中央区)の事例から、法務と最新技術の融合やこれからのDXを考えた。

 両社提供のサービスを導入している原田産業の田坂昌幸氏は、従前の課題感を「当社は法務を人事・総務部門が兼務し、社内の法務相談などを電話やメールで受け、表計算ソフトで管理するなどの手間があった。他社サービスは、汎用型の一方通行の仕組みで、法務に必要な〝双方向〟のコミュニケーションに適していなかった」と説明。その上で、両社提供のサービスを導入した経緯で「〝ベスト〟な形として、属人的な業務を改善して紙書類の管理をなくす。ひな型の契約書をダウンロードして表記漏れを防ぐ。自社基準を登録でき、各工程を一気通貫につなぐシステムを求めていた」と述べた。

 また、最新ツールの導入に際してのポイントは「単に導入するのでなく、どの業務にどのような課題があるかの課題をまず洗い出し、最新ツールでどのように改善するかを明確化する。導入・運用コストをふまえて無駄のないツールを選ぶ。最も大切なのは、法務などの直接の売り上げを生み出さない部門でも、業務のデジタル化は、個人の生産性を向上させ、誰が担当しても一定の業務品質を保て、全社に効果が波及する。それが組織の継続的な成長や企業競争力を高める」と強調した。

 ContractSの津田奨悟氏と、GVA TECHの仲沢勇人氏が加わったパネルディスカッションでは、各氏の発言の要旨として、「最新技術のテックがすべてではない。最新ツールは人の仕事を支援・補助するもので、最終判断は〝人〟が担う。デジタル化の成功は、小幅な〝スモールスタート〟で始めて、それを全社に展開していくことが鍵になる」とまとめた。