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NTTアーバン、NTT都市開発が実験的オフィス データ活用、働く個人に最適化 内幸町一丁目エリア再開発に反映

 NTTアーバンソリューションズ、NTT都市開発は5月26日、アフターコロナを見据えた実験的ライブオフィス「未来のオフィス 4×SCENE」を「秋葉原UDX南ウイング」(東京都千代田区外神田)6階に設置した。在宅勤務とオフィス勤務が混在する中で、オフィスに行きたくなるよう、個人が快適に働けるよう一人ひとりの好みや目的・行動データを集積・解析して、快適なオフィス空間の実現や運営の最適化を目指す。同社は、他のディベロッパーの提案する次世代オフィスに対して、データ活用の点で優位性があると認識。同オフィスで実験した成果を進化させ、同社が三井不動産などと整備する「内幸町一丁目」エリアの再開発に反映する方針だ。

 同オフィスでは、アフターコロナのオフィスを「意識的に向かう場所」と位置付け、一人ひとりが好みと行動・目的に合わせて選択可能な働き方である「Personalized ABW(パーソナライズド アクティビティ・ベイスド・ワーキング)」を提唱。働く人一人ひとりに最適化された情報を環境やスケジュールから先読みする「レコメンド」を提供する。

 同オフィスは、床面積が307.89坪で、NTTアーバンソリューションズのデジタルイノベーション推進部とグローバル事業推進部の約90人が入居。空間は4つのSCENE(シーン)に区分けしている。「CASUAL」では、カフェとコラボレーションルームを併設し、他のフロアからも人が集まる交流を促す空間とする。

 「TEAM」は、組織・チームが集まって働きやすいエリアとし、役員ブース、執務デスク、個人ロッカーなどがある。「FOCUS」は、静かに集中して働けるエリアで、植栽があるデスク、昇降デスク、ブース席などがある。

 「INTRODUCTION」は、オフィスのエントランスで、正面にプレゼンテーションが行えるラウンジを備える。設置されたモニターには、同僚の出社状況やエリアの混雑状況を表示する。そのほか、リモート勤務が基本となっており、質が高いウェブ講演が可能なスタジオを設置した。

 同オフィスでは、「Well-being」を実現する実験的な取り組みとして、「歩きながら仕事ができるデスク」や社員のリフレッシュ・集中力の向上を促す「瞑想室」を設置。リモートとリアルをシームレスにストレスなくコミュニケーションが取れる実証実験を実施する。オフィス内を動くロボットは飲み物を運ぶことに加え、遠隔による案内や打ち合わせを可能にした。

 NTTアーバンソリューションズが取り組む「街づくりDTC」は、オフィスのエネルギー使用状況や発電量、顔認証などによるセキュリティ、行動履歴などのパーソナルデータ、温度・湿度、音などの環境、スペース利用状況や予約状況などの空間のデータを集積・蓄積。これらを使い、一人ひとりの好みや目的・行動の支援、オフィス運営の最適化に反映し、今後の再開発にアップデートしながら反映する。